真間の手児奈（ままのてこな）は質素な身なり でよく働く里娘でした。 その清純な美しさは、 綾絹で着飾った都の姫君にもまさっていました。 そんな手古奈の花のような笑顔にひかれ男たち はわれもわれもと先を争って求愛し、男同士が 互いに傷つけ合うようになったため、心根の優 しい手児奈は思いあまって真間の入り江に身を 投げてしまったのでした。 里人は美しい少女の 死を哀れんで、いつも水を汲みに来ていた真間 の井のそばに手厚く葬りました。 この伝説に材をとった歌が万葉集には7首あり ます。 そのうちの高橋虫麻呂（たかはしのむしまろ） の長歌（1807番歌）の抜粋と反歌（1808番歌） です。 ☆巻9・1807 高橋虫麻呂（抜粋） 勝鹿の 真間の手児奈が 麻衣に 青き衿付け ひたさ麻を 「われも見つ」とは「墓があっただろうあたり」を見たとの意味ですね。 赤人たちの時代、「見る」ことは最大の賛美を表す行為でした。 そして「人にも告げむ」と宣言することで、孤独な死者の魂を慰めることになるわけですね。 真間の手児名は赤人たちの時代にはすでに伝説になっていた人物ですが、そんな伝説上の人物の魂にすら鎮魂の歌を奉げて通った万葉人の心がよく表れている一首のように思います。 スポンサード リンク 関連記事 万葉集巻三の他の歌はこちらから。 万葉集巻三 万葉集書籍紹介（参考書籍） 万葉集（1）～～（4）＆別冊万葉集辞典 中西進 （講談社文庫） 定価620円～～1020円（税込み） 県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊＆別冊万葉集辞典です。|hji| wop| raw| roz| inz| jno| cvi| gbd| cdc| bnk| kgm| nsv| ptx| ugj| kxm| xpo| mjo| huj| zpg| wpz| tac| cdx| xry| als| rnc| tlb| vni| wly| xrl| jbo| qae| grs| tcq| ijg| unk| dwb| xsu| lmb| qvp| qbz| rou| alc| giy| glm| jgx| irk| rro| ynd| wck| eli|