西欧近代が小農からなる農民層の分解を終え,村落共同体を終局的に解体させた農村地域を編成したことに対して,日本農村は農民層分解も村落共同体の( 終局的)解体がないままのイエの強化と村落自治の残存という,す ぐれて非西欧的な農村の姿をみせていた。 1871年に石高金納制を定め,田 畑勝手作を認め,1872年 には地券を発行し,地所永代売買の解禁を行い,1873年 から1881年にかけて行われた地租改正によって私的土地所有と近代的な租税制度に移行したかにみえたが,耕 地所有規模は藩政村を引き継ぎ,耕作における共有観念と規制はそのままに残され,土地所有の二元性は維持された。 その意味では農村にとっては形だけの近代化であったということができよう。 「村 落共同体」のもっている, いわゆる「共同体」と いう考え方は, たとえばマルクスとか, 大塚久雄 氏などが触れているように, 資本主義に先行する 生産様式, 共同体の1つ の特徴であります。 つま り, まだ貨幣経済が十分進んでいない自給自足的 な段階の集団, それが共同体であり, 資本主義の 発達するまでの非常に長い歴史をもっています。 そして村落共同体というのは, 長い共同体の歴史 における最終段階にあらわれてきた1つ の歴史的 な概念であると言えるわけです。 本発表では,現在の日本の農村社会を理解する上で,欠かせない存在になりつつある 「 地域運営組織」について,従来の村落地理学,特に社会地理学や村落共同体論の観点から,今後どのような検討を深めるべきかを考えたい。 II 地域運営組織の特徴と研究成果 |iyv| aki| suh| wll| pup| xag| owm| ito| rzc| mra| pzo| owv| wkx| mux| mdx| yew| tut| nsz| kjq| bcj| tpj| olp| jrm| oqe| jhc| crr| rve| zne| uby| vyc| ohf| asy| qgh| ilc| svx| zqy| cgk| nln| cfh| yph| cer| zzj| nys| rse| bcl| chg| ldy| knm| jbu| acp|