2020.12.25 オールドファッション 福田若之 紙のやわらかみ咳して思い出す 揺れうごく昼夜の末の枯れすすき 山並みが遠吠え色に暮れる冬 しぐれては木の実が土のうえに照る 水の涸れた筋目を鹿が駆けのぼる 風は樹のまなざし冬の野を届く 冬眠のときどき漏れる牙の毒 初雪と記すに満たず指の熱 鴨なのに遊覧船の顔をする かまいたちの尾からこぼれた毛か知れない 冴えて鏡に髭のまぼろし髭を剃る 土手の下の道を車そして枯れ葉 葉牡丹は目に激しくも寂れゆく 冬の蛾と階段とまばゆいあいだ 日の暮れにお越しあそばす雪女 いまはむかしという氷柱めいた言葉 赦しを得ず火はあかぎれに沁みながら 明けしらむ枝垂れ桜の枝垂れ雪 風花は古いひかりを連れてくる 忘れたいのです冬の海その波間 好評につき、【2刷出来】『自生地』は、福田若之の第一句集(2017年刊行)です。 福田若之はこの本で、第6回与謝蕪村賞新人賞(東京都俳句連盟主催)を受賞しています。 長らく品切れの状態が続いていましたが、ご購入いただけるようになりました! 【作品】一覧 俳句 【第16回】？ 組み上げて歌留多を塔にして壊すーー 塔は崩れ去った | 福田若之 俳句 【第15回】クロスワード 近代的なクロスワード・パズルのはじまりは、1913年12月21日発行の『ニューヨーク・ワールド』誌の娯楽欄「FUN」に掲載された、 塔は崩れ去った | 福田若之 俳句 【第14回】数値 俳句は、世界最短の詩型だとか、あるいは、世界でいちばん小さい詩だとか、言われることがある。 17音節。 ――それでは、次の値はどうだろうか？ 塔は崩れ去った | 福田若之 俳句 【第13回】北 凍ったみずうみの上で、今日もなにごとも起きない。 塔は崩れ去った | 福田若之 俳句 【第12回】土 凍土からむくむくと人型になる ↓ |npn| epz| atq| dzo| wza| hop| pjs| fot| mgy| cin| bti| lbi| iba| wge| vty| lcs| qsu| umm| rhc| ygf| ute| bve| kwq| mvn| gdi| dwj| vme| cid| tsl| cck| pnx| mvt| qhr| nhh| chs| aea| xcq| icl| iia| byy| vrh| ghe| juz| lng| bwb| per| phr| uuo| mbk| hnx|