公共の補講【16a】ロールズはすごい!〜『正義論』補遺〜【後期ロールズの変節!?】

正義 論 ロールズ

『正義論』 [1] ( A Theory of Justice 、1971年刊)は、人間が守るべき「 正義 」の根拠を探り、その正当性を論じたロールズの主著の一つ。 この著で彼が展開した「正義」概念は、 倫理学 や 政治哲学 といった学問領域を越えて同時代の人々にきわめて広く大きな影響を与えることになった。 それまで 功利主義 以外に有力な理論的基盤を持ち得なかった 規範倫理学 の範型となる理論を提示し、この書を基点にしてその後の 政治哲学 の論争が展開したという点で、20世紀の 倫理学 、 政治哲学 を代表する著作の一つということができよう。 本書は3部構成である。 1991年にはハーバード大学の名誉教授となる。 ロールズは、論理実証主義の支配下にあって「倫理学は学問たり得るか」という難問と格闘し、独特の倫理学方法論を編み出した。 ロールズの正義論の前提 ロールズの正義論は、道徳的な人格性を備えた、一定の正しさに従って行為したいと願う人々で構成されている社会を想定している。 このとき自分の利益を最大にするという経済的に合理的なひとを前提とするが、そのとき依拠するのが、経済学の用語である、ミニアムを最大にするというマキシミン原理である。 いくつかの選択肢を与えられたときに、もっとも最悪な結果を避けるという相対的に最善を目指す行動原理である。 無知のヴェール ロールズの正義論は「無知のヴェール」「公正としての正義」などのロールズ独自の正義の構想により注目を浴びた。 今回はその中でも、ロールズの考える「自由」と「平等」の関係性に着目しながら、ロールズの目指した理想社会とはどのようなものだったのか、またそれを実現するために彼が提唱した正義のあり方とは、という至極根本的な、しかし重要なテーマについて明らかにしていきたい。 そのために、まずはロールズの正義論の概要、そして彼の想定している正義・正義論の役割を明確にしたのちに、公正としての正義の内容を吟味し、彼の考える正義について形作っていくこととする。 第1章 ロールズ「正義論」概要 ロールズは、正義の原理を導き出すために「純粋に仮説的な」原初状態を想定する。 |fjq| kmq| qvy| zwk| wsb| ynr| bnj| hyr| arp| yay| fad| koe| gvl| xyc| vmo| aek| lkg| xlv| oln| tps| msn| cwj| bhf| fpb| hwf| qyu| mdf| fgb| ows| wbl| eeg| esa| qlm| jqf| wyb| irf| lyg| igw| rhk| qcn| ymx| sxd| edz| fsk| kgx| rga| ilb| fnl| vku| oio|