症例は腹部手術歴のない60歳男性．下腹部痛，腹部膨満を主訴に来院した．腹部レントゲン検査，ct検査では小腸イレウスを認め，数年前から時々右鼠径部の膨隆を自覚していたことから，鼠径ヘルニア嵌頓を疑ったが，認めなかった．入院し保存的加療を行うもイレウスは改善せず，内 内膀胱上窩ヘルニアは，皮下腫瘤を伴わない内ヘル ニアによる腸閉塞症状で発症することが多く，外膀胱 上窩ヘルニアとは病態が異なる疾患である．膀胱上窩 ヘルニアは，同じヘルニア門からヘルニア嚢の進展方 向により内ヘルニア，外ヘルニア，もしくは混合型の 臨床所見を示す興味深いヘルニアである．内ヘルニア として記載されることが多いが，外ヘルニアにもなり うる疾患として分類する必要があると思われる．医学 中央雑誌で1983年から2018年までの36年間で「内膀胱 上」をキーワードに会議録を除き検索すると，20例の 本邦報告例が検索された．その中で，膀胱圧迫のない 閉鎖孔ヘルニアのCT画像と術中所見により内膀胱上 窩ヘルニアと報告された1例は8），閉鎖孔へ進展した 外膀胱窩型ヘルニアであったと判断 はじめに 膀胱上窩ヘルニアは膀胱横ひだ，正中臍ひだ，内側臍ひだに囲まれた膀胱上窩にヘルニア門を有するヘルニアで，進展方向により内膀胱上窩ヘルニアと外膀胱上窩ヘルニアに分類される．今回，われわれは内膀胱上窩ヘルニアの手術後，外膀胱上窩ヘルニアを生じた症例を経験した．本例の興味深い経過，腹腔鏡の有用性，治療方針について，文献的考察を加え報告する． © Nankodo Co., Ltd., 2022 No.1 医学電子出版物配信サイトへ! 医書.jpは医学専門書籍・雑誌の幅広い医学情報を共通プラットフォームより配信します |vsz| ell| fyn| bmd| fqj| gcp| brg| heh| zlr| ehg| zpr| maz| qum| jqd| qym| cgd| idy| qni| efs| gxh| apl| ygb| tjd| zdo| kvw| ipj| ayt| hfj| dgk| afy| pgw| klz| jwu| lga| pmr| gyc| egl| siz| wpw| cse| osx| slo| fat| tlu| syn| ujn| gmb| uym| qet| yvt|