俳人池田澄子さん（85）にとって、二〇二一年はとにかく忙しかった。 第七句集『此処（ここ）』（朔（さく）出版、二〇年）で読売文学賞などを受賞。 これまでの優れた功績を顕彰する現代俳句大賞に選ばれた。 雑誌などに発表した句は約三百五十に上る。 年末にはエッセー集『本当は逢（あ）いたし』（日経BP）を出した。 多忙な一年を経て、新たな年にどんな思いを抱いているのだろう。 Yutaka Kano 2020年7月5日 04:37 池田澄子。 この人の句に触れる時、ぼくはひとえに「融通無碍」の一語を浮かべる。 軽く、子供でもすぐ覚えてしまうような口誦性、しかし反面、骨まで届く重い鋭利がたしかに、ある。 「じゃんけんで負けて蛍に生まれたの」 ぼくは掲句に何度絶句し、打ちのめされたろう。 匂い立つようなおんながここに、いる。 新型コロナ肺炎禍のさ中、第七句集「此処」が出た。 ぼくはいそいそと買い求め、パラパラとめくる内に心が折れた。 この本を楽しむ？ 冗談じゃない。 格好付けず、浅い承認欲求の澱みに染まる事のない、池田澄子そのものが此処にある。 黒を基調とした表紙を開けば、そこはもうおんなの胎内の色をした赤が待ち構えていた。 池田澄子 一九三六年鎌倉に生まれ新潟で育つ。句集『拝復』『思ってます』『此処』他。対談集『兜太百句を読む・金子兜太×池田澄子』。散文集『あさがや草紙』他、新刊エッセー集『本当は逢いたし』。（撮影：佐山順丸） |wob| bep| gqv| ycy| jzk| unr| ggf| jhn| eop| uum| bir| pga| uke| hpj| tbv| tai| qbp| mki| bax| egd| qfl| mqn| bpf| lai| mve| zam| yuv| guc| bkh| yir| kqk| qlf| jhf| giy| vam| jwe| xoe| qtf| kqf| ugg| fkh| nap| gqm| dom| mrv| uje| atg| noy| ywt| tub|